「海上牧雲記」登場人物別 あらすじ7〜8話と解説

海上牧雲記」登場人物別 あらすじ7〜8話と解説

f:id:karen88a:20200514163007j:plain

 

こんにちは! 華蓮です。

海上牧雲記〜3つの予言と王朝の謎」見てましすか〜?

このあらすじ記事の趣旨は、「あらすじ1〜2話」の記事の最初の部分を参照してくださいね。

以下、前回の続きです。ネタバレ注意ですよ〜(笑)

 

<牧雲笙(ムーユン ション)と皇宮>

 皇宮:

皇后が皇帝に向かって「あなたの最愛の息子が、秘密を知ったのだ」と伝える。皇帝は、「構わない、実の親子だから。これからは息子を受け入れるつもりだ。」と答えると、皇后は「十数年も放っておいた子供をいまさら愛そうとするのか、それは彼が人だから?または魅だから? 彼の中の“人”に気をつけて」

皇后が去ろうとすると、皇帝が引き止めて聞く、「永銀宮は人の出入りを禁止している禁足地、笙はなぜ知ったのか?」皇后はシラを切るが、第三皇子で皇后の息子である合戈(フーグ)の動きを皇帝は知っていた。「親子で私を憎んでいるのか?」と皇帝が言うと、「皇帝ができないことを私が代わりにやった。永銀宮を禁足地にしたのも私。私を信用できないのですか? 牧雲笙が永銀宮に一緒に行ったのは穆如寒江(ムールー ハンジャン)だという報告がありました。苓鹤清(リンフーチン)の予言をお忘れなく。」と言い放って去っていく。皇帝は、剣を納める。

 

牧雲笙の館:

甲冑一式と剣など、皇帝からのお見舞い品が届く。「養生し、一緒に狩をするのを楽しみにしている」という伝言付きだった。

 

皇宮 蔵剣閣:

牧雲笙は、皇帝のいる蔵剣閣へ押しかける。「私も永銀宮に幽閉してください。無用な怨念や苦悩を生まないようになります。」といきなり願い出るが拒否される。「罪人ではないので幽閉する必要はない」と皇帝が言うと、「では母は罪人ですか?」と反論する。皇帝は、銀容を刺したあとの会話を思い出す。

 

銀容:「私が人の姿を保てるのは陛下を愛しているから。愛が私のすべて。陛下の剣で私たちの縁は切れました。もう二度とお目にかかることはありません。笙にはあなたと同じ過ちを犯させないようにしてください。」

 

牧雲笙は皇帝に向かって、「まだ愛があるなら、見舞ってはどうですか?」「母を刺して、私の言葉も聞く耳もたないのですか?」と畳み掛けると、皇帝は「宮中のことはいずれそちにもわかる」とはぐらかす。「権力のために、そんなに無情になれるのですか」と牧雲笙がさらに追求する。「無情ではなく、世の中の常識だ。何かを得るためには、何かを手放さなくてはならない」「そんな世の中は間違っている。」「役立たずの考えだ。」「では役に立つ考えとは?」「いかに天下を動かし、民の安寧を守るかを考えることだ。」「詭弁です、自分の立場が一番大事ということでしょう」「甘えるな、世の中の厳しさをわかっていない」と言い合いになる。

皇帝は、「もうよい、戻って狩の準備をしろ」と匙を投げるが、「あなたの意向には従いません」とさらに牧雲笙が反抗する。「父に向かってその態度はなんだ、最近できた友人の影響か?」と息子を殴る。牧雲笙は部屋を飛び出していく。

 

牧雲笙の館:

穆如寒江が館を尋ねると、牧雲笙は皇帝からもらった甲冑を庭に放り投げている。「くるな、私に近づくと不幸になる。狩は強者が弱者をいたぶるからいかない。狩の獲物も宮中の人間も同じ」と牧雲笙が叫ぶと、「じゃあ外の世界へ行こう」と寒江が誘う。「どうやって出るんだ?」「方法はあるよ」(7話)

 

<ある川辺>

牧云欒(ムーユンルヮン)が平民の格好で釣りをしている。そこへ、南枯祺(ナングーチー)がやってきて、手紙を渡し、「単純な策ほど万全の準備が必要です、夫人の書いた書状の文体を伝授いただきありがとうございます」

牧云欒「穆如槊が狩に乗じて皇帝暗殺を計画し、妹に避難を通告、その書状を発見した自分が穆如を成敗する。他の王も出兵せざるお得まい。」と自分の計略を披露する。そして、「墨禹辰(モーユーチェン)が動くのを待とう」「皇帝と穆如の亡き後、天下はどうなるだろうな」と伝える。南枯祺は、「南枯家がいることをお忘れなく」と念押しすると「どうして忘れることができようか」と牧云欒は回答する。(7話)

  

<郊外 狩場へいく隊列>

南枯徳が墨禹辰と馬車に乗っている。南枯徳は、彼を陛下に謁見させようとしていて、自分の願いも叶えるよう、念を押す。墨禹辰は、「穆如はすぐに地上からなくなります」と自身ありげに答える。

 

牧雲笙と穆如寒江も馬で隊列の中にいる。「いつでも準備はできている」と逃げることを匂わせる。(7話)

 

<森の中>

牧雲笙と穆如寒江は隊列から離れ、川辺で寛ぐ。そこへ、穆如槊(ムールーシュオ)が部下と共に追いかけてくる。牧雲笙が戻るのを拒否すると、穆如槊は寒江を誘拐の罪で捉えて連れていく。「世の秩序を守るのが穆如の務め、秩序を見出すものを厳罰に処する」と言い放ち、虞将軍に命令して牧雲笙を天幕へ連れ戻す。(7話)

 

<硕風和葉(シュオフォン フーイエ)>

郊外の軍幕:

靖(ジン)公主 牧雲厳霜(ムーユン ヤンシュアン)が硕風和葉を連れている。公主は牧雲銀甲を率いていて、狩の開始を宣言する。和葉は彼女に、「どうして男のように振舞うのか?」と聞く。「女だって男と同じように戦える」といきなり剣を抜く。そして、彼を縛って吊るすよう命令する。まだ笑っている和葉は、「俺は牧雲厳霜をいつか正妻にする、硕風部族の男は、狙った女は見逃さない」と宣言する。靖公主は、彼を牢屋にいれる。(7話)

  

<狩の本部>

皇帝が狩の開始を宣言する。

 

皇后に南枯月漓が謁見する。蘇語凝(スーユーニン)も参加するため、月漓もきたかったのだ。第二皇子 牧雲陸が蘇語凝に笑いかけるのを月漓は見逃さなかった。

 

牧雲笙が皇帝に寒江を釈放するよう訴える。皇帝が拒絶すると、「国のために妻を害し、対面のために息子を捨てる、あなた方には心がない、このような人のいるところにいたくない、半分“魅”である私を皇帝は恥じている、私もあなたを恥じている。何を思って私に剣をむけているのか」と牧雲笙が皇帝を糾弾する。皇帝は、銀容を刺した場面を思い浮かべていた。「人と人が悪意を向け合う時、心にあるのは一体何ですか?」と銀容に言われたことを思い出し、皇帝は剣を下ろした。そして牧雲笙は立ち去っていった。(7話)

 

<監獄とされている天幕>

寒江が入っていくと、そこには、鎖で繋がれている硕風和葉と老人がいた。寒江と和葉は再会を喜ぶ。老人は突然立ち上がり、牧雲笙が人ではないことを見抜く。(7話)

 

<蘇語凝(スーユーニン)>

ある天幕:

お茶会が催されている。牧雲陸が蘇語凝に会いにきて、花を渡す。そこへ、また月漓が割って入る。牧雲陸へ嫌味を言って、彼を追い出した後、月漓は蘇語凝の頬を殴る。「皇后の座をゆずらなければ、寒江との仲をいいふらしてやる、皇帝と皇后に言ってやる」と脅す。蘇語凝は、「愛のない結婚をしてまで、皇后の座がほしいのか」というと、月漓がまた殴る。蘇語凝は、「我慢の限界だ」と言って、月漓を殴り返す。(7話)

 

夜の森の中、寒江に呼んでいる、と人伝に聞いた語凝は彼の名を呼ぶが、誰もいない。背後から怪しい人物が出てきて、語凝を崖から突き落とす。それは、月漓の差金であった。(8話)

 

<皇后の天幕>

皇后が、皇帝の太監に、「明日、墨禹辰を皇帝に紹介するように」と依頼している。墨禹辰は見返りとして、皇后の息子である牧雲合戈(ムーユン フーグ)を皇太子にするため、各地方にいる王たちの支持を得ることができると伝える。皇后は墨禹辰の商会と宛州商会がなにか関係があると理解している。南枯徳(ナングーダー)が割って入り、それは私から説明すると伝える。南枯徳は皇后の叔父であった。彼は陛下の機嫌を損ねないよう、皇后を励ます。そこへ、月漓が押しかけてくる。蘇語凝に打たれたと訴えるが、利用する価値があるから、彼女に近寄るな、と皇后が警告する。月漓は皇后の機嫌を損ねてしまう。(7話)

 

墨禹辰と南枯徳:

皇后の口添えで、墨禹辰は皇帝に謁見できることになった。

「これは、“月影噬魂“(ユエインシーフン)という辰月に古代から伝わる祭器で、皇帝を葬る刀にふさわしい」と南枯徳に説明して、彼を葬り立ち去る。(8話)

 

<軍幕の外>

牧雲笙が貼り付けにされている穆如寒江のところへ行く。寒江は、「約束を守れなくてすまない」と詫びる。牧雲笙は警護についている慮心忌に、彼を開放するように言うが、龙骧侍卫である自分には、それはできないと返答される。牧雲笙は彼に、「自分を縛るように」と命令する。(7話)

 

<森の中>

牧雲笙は穆如寒江と硕風和葉を開放し、共に森の中へ走って入っていく。「寒江が剣で枝を切っているところを見たら、穆如将軍はどういうだろうな」と牧雲笙が軽口を叩くのを聞いて、硕風和葉は寒江の父が穆如将軍だと知る。しかし、寒江は「自分は苗字がない」と主張する。和葉は、「ある話を思い出した」と言って、瀚洲(ハンジョウ)での自分の偉大な父母の話をした。寒江は「会ってみたい」というが、「もう死んでしまった」と和葉は涙を流して答えた。(7話)

硕風和葉は、「両親がなくなったのは自分のせいだ、自分が連れて帰った男が語った秘密のせいで部族全員の命が奪われた」「発端は、遠い地で、俺の知らない誰かが息子を捨てたからだ。」すると、寒江はよく似た話を聞いたことがある、と語り始める。「天啓の郊外で一人の孤児が暮らしていた、生きるために物乞いをし、人を騙していた。彼は目覚めるたびに考えた、今日は誰に殴られるんだろう? どう殴り返す? 初めて寝床で寝たのは12歳の時、盗賊に殴られているときに師匠に拾われ、都の西にある医者の家で1ヶ月眠り続けた、目覚めると、枕を抱いてずっと笑っていたらしい。その後、その子の父親が現れ家に連れ戻されたが、父親に会った最初の日に、父は息子を殺そうとした。予言によると、その子は将来、別の子から天下を奪うらしい。」

硕風和葉は、「穆如家が隠し続けた秘密の子はおまえか?」続けて、「両親と部族を殺したのは、穆如将軍が率いる穆如鉄騎だ。」寒江が驚いて「俺の父がお前の父を殺したのか? なぜだ?」すると、牧雲笙がそれを受けて、「私のせいだ。私は将来の皇帝と運命づけられていた。ただし、“呪われた皇帝”だ。災厄をもたらす。朝廷はその予言に慌てふためいた。」と説明した。続けて牧雲笙は、「お前の父は、お前が私から天下を奪うことを恐れ、現実にならぬようお前を捨てた。」和葉は「いまや二人は友人になり、命がけで隠した秘密ももはや公然の事実、こんなことのために、俺の両親は殺されたのか?」とショックを隠しきれない。

 

牧雲笙は拝礼し「皇宮を出てお前たちと共に過ごしていると、呪われた自分を忘れられた、新しい生活が待っていると思った、でも逃げきれなかったんだな。初めて友人ができて、初めて必要とされていると感じた。まさか私の出生が二人を傷つけているなんて思いもよらなかった。」そして出ていこうとする。「私と二人のために答えを探しにいく、生まれた時から私たちを苦しめる大きな力があるなら、それを探し出し、消し去る。」といって出て行ってしまう。

硕風和葉は寒江に「兄弟よ、ここでお別れだ、次に会うときは仇同士だ」と告げる。(8話)

 

<皇帝の天幕>

牧雲笙は、父の剣「辻目」を引き抜こうとするところへ、皇帝がやってきて阻止する。皇帝は「昨晩はどこにいたのか」と問うと、「森の中で樹木、草木や虫や獣と語らっていた」と答える。やがて口論になり、「天下取りのために母を利用したくせに」と牧雲笙は皇帝を罵るが、彼は「今晩あるところに連れていく」と言って下がらせる。(8話)

 

夜、皇帝は草原で牧雲笙に会う。「この場所で最初に銀容に出会った。」と皇帝は息子に話をした。兄が皇太子を廃されたのは、父が彼を嫌ったためだが、それを兄に告げなかったこと、銀容に出会ってから、他には何も欲しくはないとおもったこと。

 

穆如将軍がそばで警護をしていた。そこへ、寒江が通りかかる。父は彼に「誘拐に加えて牢破り、お前は重罪人だ」と捕らえようとすると、寒江が詰問します。「どっちが罪人だ。正義の名の下に無辜の民を虐殺した。あんたにとって、善とはなにか、悪とはなにか?」と問うと穆如将軍は「世に定められた秩序を守るのが善、乱すのが悪だ」と自分の使命を答える。「秘密を隠蔽するために、罪のないものを殺すのは善か?悪か?」とさらに寒江が問うと、「秘密と人命 どちらが重いかによる」「主君を予言しただけの秘密でも?」「それは国の最重要事項だ」と明快に答える。それでも反論する寒江に対し、「反逆罪だ」と言って、二人が剣を交えているところに、兄の寒山が割って入る。

 

皇帝は、「お前を遠ざけたのは、お前が私を父と認めぬかもしれぬと恐れたからだ。そちを守るために、皇位を譲らないのだ」と告白し、牧雲笙も理解する。そこへ、男がやってくる。皇帝は穆如槊を呼ぶが、彼は、少し離れたところで息子と言い争っているため不在。男は墨禹辰だった。「月影噬魂は、九州の帝王の霊魂が封印された剣、お前の命を奪うにふさわしい」二人は一騎討ちとなる。皇帝は劣勢となり殺されそうになったとき、牧雲笙が何かを叫んで剣を抜くと、体が浮き、地面が割れて、火球が墨禹辰を襲った。(8話)

 

<観星閣>

牧雲笙が叫んで剣を抜いたとき、中央にある装置が鳴り響き、異変を伝える。「ついにきた」と苓鹤清(リンフーチン)が悟る。(8話)

 

<森の中>

翌朝、牧雲厳霜は捕らえていた硕風和葉と老人に逃げられたことに気づく。そして、山中を捜索させる。二人は森の中で捜索隊に追いつかれる。老人は細い糸を森に巡らせ、捜索隊を阻止する。その糸は“天羅刀丝”で、それを作れる河洛部族の職人が減り、現存する数も少ない。老人は、「おまえが鉄沁(ティエチン) になり、天啓を手に入れたら返してくれ」と言って、それを和葉に渡す。理由を聞くと、「お前は役に立つからだ。牧雲笙は、私の主人の仇でもある。主人の仇にお前は使える。」と答える。和葉は「牧雲笙はまだ子供なのに、どうしてあんたの主人の仇なんだ?」と尋ねると「世の物事は、生まれる前から定められているのだ、何があっても必ず生き延びろ」「天拓海峡で、横公という船を探せ」と言い残して去っていく。(8話)

 

<皇宮 朝廷>

南枯徳が急死したため、宛州にいた甥の南枯祺(ナングーチー)が後任となった。皇帝は2ヶ月静養していたが、今日から政務をとるとのこと。

しかし、出てきたのは皇帝ではなく皇后だった。大臣たちが反対する中、寝たきりで口がきけない変わりはてた皇帝が登場する。「皇太子をたてるまで、陛下の代理を任じられました」と皇后が説明する。皇后は自分のいいように発言し、陰で牧雲笙の命をとると、皇帝を脅している。皇后は、穆如槊が皇帝暗殺を計画しているように嘘の手紙をしたてた証拠で、彼を追い詰める。これは、邺王と南枯祺が仕掛けた計略だった。(8話)

 

 

<解説>

牧雲笙は、とうとう自身の出生と母親についての詳細を知ってしまいました。そして同時に、父の態度や皇宮についても知ることになります。

 

狩場の場面から、様々な人々の思惑が一挙に動き始めます。

 

硕風和葉は、牧雲厳霜とさらに会話をして、お互いに意識をしあうところです。この後、後半ではおもわぬ展開が二人を待ち受けます。

 

主人公の三人が出会いました。自身にまつわる予言と、お互いの関係が明らかになります。三人は仲がよかったのに、不幸な運命を背負わされていることを知るのです。

牧雲笙と寒江は互いに父を罵りますが、父の方にもそれなりの理由がありました。

 

そして、黒い勢力が動き始めます。まずは墨禹辰。見るからに怪しいですが、彼の目的は一体なんなのでしょう?

朝廷での黒い勢力は、南枯家です。南枯徳が死んでしまったため、甥の南枯祺(中国で活躍する日本人俳優の矢野浩二さんが演じています)がでてきました。彼は皇后と結託し、朝廷を乗っ取ろうと目論みます。

南枯家を利用して、皇帝の地位を乗っ取ろうとしているのが、皇帝の兄の牧云欒。この後、息子も登場します。

もう一人の謎の人物は、硕風和葉と一緒に捕らえられていた老人です。彼は一体何者なのでしょう? 物語の後半に出てきますので、覚えておいてくださいね。

 

一方で、実直すぎる穆如槊。この武人らしい実直さが、一族を不幸へと追い込んでいきます。

 

蘇語凝は、南枯月漓に嵌められて殺されそうになりますが…次回をお楽しみに!