現代中国社会の問題を浮き彫りにするミステリードラマ「摩天楼のモンタージュ〜Horizon Tower~」
「摩天楼のモンタージュ〜Horizon Tower~」
（原題：摩天大楼 2020年 全16話、日本版28話）
＜ぽいんと＞
＃中国現代社会の問題
＃女性差別
＃家族と友人
＃格差社会
＃オススメ度：☆☆☆☆
＜あらすじ＞
陈雪の小説「摩天大楼」が原作。
とある中級都市の高層マンションで停電が発生する。その後まもなく、マンションの一階にあるカフェのオーナー 钟美宝（ジョン・メイバオ）が自室で死亡している事件が発生、担当刑事の钟敬国（ジョン・ジングオ）と新人女性刑事の杨蕊森（ヤン・ルイセン）が本件を担当することになった。彼らは参考人として、マンションの警備員、同じマンションに住んでいる建築家、マンションの仲介業者、小説家などを聴取するが、彼らはそれぞれ秘密を抱えていた。捜査が手詰まりになったところで、誘拐で逮捕された家政婦の話より、殺された钟美宝の生い立ちが明らかになっていく・・・。
＜みどころ＞
まるで米国の人気テレビドラマ「ツインピークス」のように、謎の美女の死体から話が始まります。高級マンションの警備員から居住者、仲介業者に至るまで、刑事たちは順に話を聞いていきますが、誰もが動機があり、犯人にみえてきます。そこから段々と話に引き込まれ、殺された钟美宝（ジョン・メイバオ）の悲しい過去が明らかになっていきます。高級マンションの中にある貧富の差。まるで、韓国の映画「パラサイト 半地下の家族」のように、社会の貧富の格差がこれほどまで人々を苦しめる現実をつきつけてきます。
また、ここでは女性や子供の生きづらさもテーマの一つです。夫や父に虐げられる妻や子供、会社での働きづらさ、親の期待度の差など、日本でも起こっていることがこの社会にも存在しています。
主演は刑事役の二人。钟敬国を演じるのは郭涛（グオ・タオ）です。1967年生まれ、西安出身、演技派で有名で、数々の賞を受賞しています。相手役の新人女性刑事の杨蕊森（ヤン・ルイセン）を演じるのは、杨子姗（ヤン・ズーシャン）です。1986年生まれ南京市出身で、彼女も数々の賞を受賞している演技派女優です。
被疑者とされる出演者も皆、演技がうまく、大変見応えがあるドラマに仕上がっています。ドラマの冒頭で殺される钟美宝を演じるのは、「マイ・ディア・フレンド〜恋するコンシェルジュ〜」に出演していたAngelababy（アンジェラベイビー）（杨颖 ヤンイン）です。相変わらず美しいですね。子役たちもアンジェラに似ていて美しく名演でした。
私が気になったのは家政婦の叶美丽（イエ・メイリー）を演じていた、刘丹（リュウ・ダン）です。ちょっと、倍賞美津子さんに似てませんか？
話がテンポよく進んでいき、様々な人からいろんな話を聞く中で、方向が二転三転し、犯人が誰かわからなくなってきたところで、最後にどんでん返しがきます。もう一回最初から見たいと思わせる筋書きです。
中国の現代ドラマは、中国語の練習にもなりますね。セリフをよく聞いてみましょう！
第１話が無料公開されています。
