清朝末期から民国への激動期に生きる人々を描く「鏢門（ひょうもん）Great Protector」
「鏢門（ひょうもん）Great Protector」
（原題：镖门 2014年 全38話）
BS12 月曜〜金曜 朝５:30から絶賛放送中！
＜ぽいんと＞
＃清朝末期〜民国へ
＃運び屋兼武術の達人 “鏢師”の人生
＃社会の混乱と価値観の転換
＃武侠もの
＃オススメ度：☆☆☆☆
＜あらすじ＞
清朝末期（日本は明治時代）、社会は混乱状態であった。山西には、太谷镖局（タイグービャオジュ）という大手の镖局（ビャオジュ）（運び屋）があり、大镖头（ダービャオトウ）とよばれる親方には戴海臣（ダイハイチェン）が仕切っていた。一番弟子の刘安顺（リョウアンシュン）が跡目をつぐとみられていたが、ある事件をきっかけに太谷镖局を追われ、京城（ジンチャン）（現在の北京）にて新規ルートの開拓を目指すことになった。だが、警察に目をつけられ、同業者からの妨害にあい、街のごろつきに絡まれるなど、刘安顺は最初から散々な目に遭う。同業者から譲られた最初の仕事は、土匪（匪賊）の娘 路瑶婷（ルーヤオティン）の護衛という、気の進まない仕事だった…。
＜みどころ＞ 〜ネタバレ注意〜
2014年初放送なので、少し古いドラマです。古臭い演出もありますが、それを差し引いてもよく仕上がっています。
告知映像ではアクションが全面的に出てきますが、そこまでアクションシーンが毎回あるわけではありません（爆）。ロマンスあり、政変のくだりあり、一般の人たちの生活も詳細に描かれています。
镖局（ビャオジュ）とは、荷物の運び屋であると同時に武侠集団のこと。この世界には、荷物の内容は他言無用など独特の厳しい掟があります。そして、彼らは荷物を守るために武術を身につけており、镖局や地域ごとに武術の流派が違います。ドラマでは、さまざまな中国の伝統的な武術が登場します。
主人公の刘安顺（リョウアンシュン）は、真面目一徹の堅物で掟に忠実、その性格が災いし太谷镖局（タイグービャオジュ）から追い出されることになります。この真面目男の周辺には、土匪（匪賊）やペテン師、爵位のない元皇族など、およそ真面目とは程遠いやさぐれた人たちに囲まれます。でも彼はめげずに镖路（ビャオルー）と呼ばれる新しいルートを開拓しようと奮闘します。時代は清朝から中華民国に移行していく動乱期、刘安顺は革命派の荷物を運ぶことで、政治的な動きにも自然と巻き込まれていきます。
このドラマには、さまざまな立場の人々の生活が描かれています。
一つ目は、ドラマの起点である太谷镖局の動きと、刘安顺、許嫁の戴戎（ダイロン）、弟分の李希平（リーシーピン）との三角関係。三人は幼馴染で、仲良く一緒に育ちました。戴戎の父で師匠の戴海臣（ダイハイチェン）は、刘安顺を跡目に指名し、娘を許嫁にしました。しかし、李希平も戴戎のことが好きなのでした。刘安顺が北京に行った跡、戴海臣は李希平に刘安顺をサポートさせますが、李希平は段々と自分の気持ちが抑えられなくなっていきます。この三角関係に路瑶婷（ルーヤオティン）が加わって、話が複雑化します（爆）
二つ目は、土匪（匪賊）の集団、瞎子嶺（シャーズーリン）（暗がり峠）の社会。親分の路宗山（ルーゾンシャン）は、もとは反清朝の義士でしたが、いまでは盗賊の親分で、娘の路瑶婷を大変可愛がっています。路瑶婷が北京にきていたときに目をつけた山猫（シャンマオ）という残忍な匪賊を仲間にいれますが、実は彼は反清朝活動をしていた時の頭領の息子で恩義がありました。だが山猫は路瑶婷を狙っていて…。
三つ目は、清朝から民国へ移行していくなか、清朝の皇族、袁世凱（ユァンシーカイ）、革命の志士、警察官などの立ち位置が180度変わっていく様子が描かれます。民国になったとき、辮髪を切る人男性が続出し、みんな武田鉄矢さんみたいな髪型になってます（笑）。日本は一足早く江戸時代から明治時代になって、男性の頭髪が丁髷から短髪になりましたよね。
さて、よく「江湖」という言葉がでてきますが、これは、镖局や土匪など、一般社会からは離れた集団で、政府には従わず、独自の掟にしたがって生きている人々とその世界のことを指します。
次に出演俳優のご紹介をしましょう。
主人公の刘安顺は、台湾の人気俳優 霍建华（フォ ジェンファ/ウォレス フォ）が演じています。1979年生まれ、台北市出身です。「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」や「女医明妃伝〜雪の日の誓い〜」でお馴染みですね！ 辮髪姿も似合うイケメンです（笑）このドラマでは、激動する社会で生き残りをかけて奮闘していく姿を力強く演じています。
女匪賊の路瑶婷を演じているのは、贾青（ジャーチン）、1986年生まれ、西安市の出身です。びっくりするぐらい故竹内結子さんに似てませんか？ 最初は歌手でデビューしましたが、その後俳優業に転身しています。非常識な盗賊の役柄ですが、憎めないキャラクターですね。
そして、路瑶婷の父親で、匪賊の集団、瞎子嶺（暗がり峠）の親分 路宗山を演じるのは、倪大红（ニー・ダーホン）1960年生まれ黒竜江省出身です。「鬼谷子〜聖なる謀〜」では、賢くて残虐な楚王を好演していました。存在感があり、どっしりとした雰囲気が素晴らしいです。このドラマでも鍵となる人物を演じています。
特に歴史がお好きな方にはおすすめです。お楽しみに〜！
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