唐装の衣装を楽しむ「武則天 – The Empress - 」
「武則天 – The Empress - 」
原題:武媚娘传奇 2014年
全96 or 86話 日本語字幕版は82話
<ぽいんと>
#中国初の女帝の伝記
#王道の後宮ドラマ
#世継ぎ争い
#女性の立身出世
#范冰冰(ファン ビンビン)が綺麗
#唐朝
#オススメ度:☆☆☆
<あらすじ>
貞観11年(西暦638年 日本は飛鳥時代)14歳の武如意(ウールーイ)は後宮に入る。亡くなった皇后を忍び、後宮では蘭陵王の舞が披露されることになる。後宮の妃候補が競うなか、武如意が蘭陵王を舞うことになり、唐朝の第2代皇帝 太宗 李世民(タイゾン リーシーミン)に見染められる。しかし、他の妃たちの計略に陥り、武如意は掖庭(イエティン)(受刑者の住む場所)へ送られることになる。その後、無事に掖庭から出された武如意は、太宗から「媚娘」(メイニャン)という名前を賜って後宮へ戻り、再び寵愛を受ける。だが、他の妃たちは黙ってみていなかった…。
<みどころ>
2014年に放映という、少し古いドラマです。全体的にドラマの進行があまりテンポ良くなく、カメラワークもやたら顔アップばっかりで、ちょっと見飽きてきます。全体的に垢抜けてなく、質的にもあまり高くないので、中国ドラマを見るなら、最近のものを先に見たほうがいいかも。
中国の最初の女帝 武則天(ウーズーティエン)の伝記物語です。日本では「則天武后」という名前のほうが通っていますが、これは死後の諡(おくりな)です。
私が最初に「則天武后」の名前を知ったのは、永井路子著『世界をさわがせた女たち 外国編』。武媚娘(ウーメイニャン)が皇后になったのち、前の皇后である王氏と側室の蕭氏を虐殺した話が載っています。殺害の仕方が恐ろしいです(苦笑)。
儒教思想の影響からか、女性が皇帝になったということで、武則天は本国ではあまり評判がよくないようです。ですが、当時絶大な人気を誇っていた范冰冰(ファン ビンビン)が主役とあって、ドラマ自体は一大ブームを巻き起こしました。
放映当初は胸元アップのカットがやたら多かったため、なんと、当局から放送中止命令がでました! 編集後、引き続き放映されましたが、やたら顔どアップのカットばかりで、胸元が強調されるカットはすべて削除されています。すごい検閲力です(苦笑)。
日本にからむエピソードで「?」と思った場面がありましたので、振り返ってみましょう。
それは、第14話です。唐朝が周辺各国の使者を呼んで大宴会をし、唐朝の国力を誇示する場面。日本からは、「遣唐使 物部天守」が参加し、囲碁の対戦をしました。日本人俳優 松島庄汰が演じています。
まずは物部氏の衣装に注目、飛鳥時代なのに平安貴族の衣装ですよね〜、物部氏が遣唐使に行った記録もないし。さらに一番笑ったのは、囲碁の勝負に対して、「負けたら腹を切る」という表現! 飛鳥時代の物部氏は貴族だから、腹切りなんてしません!(大笑)
ちなみに、「切腹」が行われたのは10世紀末から、主に武士が責任をとるために、また名誉の死を遂げるために行っていました。
武媚娘は物部氏に対し、囲碁の勝敗に命をかけるなんて大袈裟だ、生き残って功績を残すべきだ、と諫言しています。物部氏もすっかり納得したようで、このやりとりも、なんだかやらせっぽいです。いかにも日本が中国に感服したとの印象を与えています。
当時、日本と中国の間では「尖閣諸島問題」があったため、このように中国政府の日本に対する見下したシーンが含まれたのだと推測されます。さすがの「検閲力」です!
また、国名を「日本」ではなく、「东瀛(ドンイン)」と呼んでいました。今の河北省あたりは、当時「瀛州」と呼ばれており、日本はその東側に位置していたことから、「东瀛」と呼ばれていたそうです。
このドラマには多数の俳優が出演していますが、私のご贔屓の台湾女優 张钧甯(ジャン ジュンニン)が武媚娘の親友を演じています。珍しく悪役ですね(苦笑)。「三国志〜司马懿 軍師連盟〜」「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」「「海上牧雲記〜3つの予言と王朝の謎」などにも出演しています。
他にもたくさんの俳優さんが出演していますが、いまいち洗練されてないのが残念、特に男性陣はなんだかもっさりしています。
でも、唐朝の衣装とヘアスタイルには注目! もりもりすぎるヘアスタイルは一見の価値ありです(笑)。
主演女優 范冰冰(ファン ビンビン)については、また後ほど書きますね〜。
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